garbagetown

個人の日記です

それでもボクはやってない

それでもボクはやってない スタンダード・エディション [DVD]

それでもボクはやってない スタンダード・エディション [DVD]


今更ですが、周防正行監督の「それでもボクはやってない」を観ました。

所感

「面白い」と言うと、ちょっとニュアンスが違うのですが、とにかく傑作です。未見の方は是非。

誰もが明確な悪意を持っていないにも関わらず、とてつもない困難に巻き込まれてしまうという状況設定が絶望的にリアルで、ぐいぐい引き込まれていきます。

見所

取調室にて「起訴だ、起訴」と言い放たれた瞬間から、主人公の視界を表現した画面のピントがおぼろげになり、取調官の声が遠くなっていくシーンが秀逸でした。
誰しもがこのように感じるのかは分かりませんが、少なくともぼくは非常に強い(特に、理不尽な)プレッシャーを感じたとき、同じように視覚と聴覚が鈍感になるので、「なんでぼくの内側をあなたが知っているんだ」という気持ち悪さと、「こうなるのはぼくだけじゃないのか」という安心感が入り混じった、奇妙な衝撃を受けました。

また、裁判官の執拗な質問に主人公が思わず声を荒げるシーンで、母親役のもたいまさこさんが見せた表情が素晴らしいです。我が子の苦しさを、同等か、あるいはそれ以上に受け止めてしまう「女親」を、表情だけで見事に演じ切っています。感服です。

今後のために

電車を利用している男性は誰もが同様の事態に巻き込まれる可能性は否めませんので、対策を講じておく必要があります。以下、列挙しますのでご参考までにどうぞ。

  • 知らないひとの尻は触らない
    • どうしても尻を触りたい場合は、知っているひとの尻を触りましょう
  • 両手をフリーにしない
    • 右手および左手は、鞄や本、吊革、iPodニンテンドーDS等に添え、誤解されない状況を常にキープしましょう
  • 身分証を提示する
    • 氏名、住所等を明らかにする身分証を提示すれば、現行犯逮捕されません。任意同行も「任意」なので従う必要はありません。毅然とした態度で対応しましょう。

それでは、面倒くさいですがTSUTAYAさんにDVDを返しに行ってきます。