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garbagetown

個人の日記です

WEB+DB PRESS vol.76

書評

もう随分前になるのですが、見本誌を頂いておりました。いつも本当にありがとうございます。

炎上案件に放り込まれたり、タイに出張に行ったり、怖くない勉強会を開催したりしていたら、すっかり書評が遅くなってしまいました。大変申し訳ありません。

WEB+DB PRESS Vol.76

WEB+DB PRESS Vol.76

  • 作者: 五十嵐啓人,伊野亘輝,近藤宇智朗,渡邊恵太,須藤耕平,中島聡,A-Listers,はまちや2,川添貴生,片山育美,池田拓司,濱崎健吾,佐藤太一,曾川景介,久保渓,門脇恒平,登尾徳誠,伊藤直也,mala,後藤秀宣,若原祥正,奥野幹也,大林源,WEB+DB PRESS編集部
  • 出版社/メーカー: 技術評論社
  • 発売日: 2013/08/24
  • メディア: 大型本
  • この商品を含むブログを見る

今回の特集は「実践UIデザイン」「Web決済入門」「[作って学ぶ]データ可視化」の三本です。また、特別記事として「Gradleによる進化したビルド」、連載記事に「serverspecによるテスト駆動インフラ構築」が掲載されています。

以下、簡単ではありますが紹介します。

実践UIデザイン

売上 50 億もさることながら、営業利益率 50% 以上を叩き出している日本を代表するネット企業クックパッドが、実際の iPhone アプリ開発やトップページリニューアルの事例を通して、UI デザインのプロセスやテクニック、ツールを惜しみなく具体的に紹介しています。

ペーパーモックやペルソナ、A/B テストと言った、よく知られたプロセスやテクニック、ツールをきちんと活用していることはもちろん、「モノクロで作る」や「薄目で見る」など、クックパッドならではのなるほどと思わせるノウハウも紹介されており、とても勉強になります。

コラム「UI デザインの変更とユーザとの向き合い方」では、1,000 万人以上の月間ユーザ数を抱えるクックパッドならではのノウハウや覚悟を読むことができるので、UI デザインに関わる人は大いに参考になると思います。

5 章 30 ページに渡るとても長い特集ですが、特集を通してクックパッドとは「今日食べたいものが見つかる」サービスを提供する企業であるという意識がまったくブレておらず、これこそがクックパッドの強みなのではないかと感じました。

Web決済入門

"決済システムに“民主革命”を~開発者向け決済APIの『WebPay』を生んだ、20代エンジニアの挑戦 - エンジニアtype" で紹介されていた WebPay の方々による Web 決済の入門記事です。

決済とクレジットカードに関する基礎知識から、関連する法律、セキュリティと続き、超大手決済代行サービス PayPal の使い方と問題点、そしてこの問題を解決する WebPay が紹介され、最後に iOS/Android アプリ内決済について詳細に説明されています。

あまり決済系に馴染みがなかったことも手伝って、とても興味深く読むことができました。

クレジットカード情報漏えいのニュースが後を絶たなかったり、つい先日は Apple が AppStore の値上げを行ったことを受けて ガンホーがパズドラなどの OS により異なっていたアイテム価格を統一 すると発表されましたが、本特集を読むとこれらのニュースがより詳細に理解できるようになり、おすすめの特集です。

[作って学ぶ]データ可視化

HTML5 から導入されたインライン SVG という技術を使ってブラウザ上に様々な図やグラフを描くことのできるオープンソース JavaScript ライブラリ D3.js の紹介記事です。

ビッグデータ、データ分析などが話題に挙がることの多い昨今、掻き集めたデータを分かり易く視覚化する技術はとても重要です。本特集を読むと、D3.js の基本を学ぶことができます。

なお、本特集では紹介されていませんが、D3.js のドキュメントは以下の URL で日本語で読むことができます。

また、分かり易いチュートリアルも日本語訳されていますし、ドットインストールにも入門レッスンが用意されているので、日本国内における D3.js 入門への敷居はとても低くなっています。

さらに、D3.js によるグラフ描画処理を再利用できるようコンパクトにまとめた NVD3.js もとても便利なので、併せて参照されることをお勧めします。

Gradleによる進化したビルド

Ant, Maven に続くビルドツール Gradle の紹介と思いきや、前半は畳み掛けるような Groovy 入門、後半は JAX-RS 推しの印象が強い、看板に偽り有りだけれど面白い特集でした。

Java のビルドツールは、Ant は表現力に乏しく Maven はどうしてこうなったと言いたいくらいに(特にプラグインの使い方が)難しく、なかなかこれという定番が定まっていない状況です。

個人的には Ivy で依存性の解決とコンパイルだけ行って、複雑なビルドやデプロイは Jenkins に任せるようにしていますが、何らかの事情で Jenkins が使えない、または既存の Jenikins プラグインでは太刀打ちできないほど複雑なビルドプロセスが必要な方は、Gradle で簡潔かつ柔軟なビルドスクリプトを書いてみるのもよいかもしれません。

serverspecによるテスト駆動インフラ構築

WEB+DB PRESS Vol.75 では Chef と Vagrant によるサーバ構築の自動化手順が紹介されていましたが、本特集ではさらに構築したサーバの構成内容を自動的に確認する serverspec が紹介されています。

サービス提供型の業務に携わっている方は日常的に同じ構成の仮想マシンを多数構築する必要があるでしょうし、受託開発型の業務でも開発者がまったく同一の環境を即座に間違いなく手に入れられるようにしておくことはとても重要です。

前号の特集と併せて目を通し、テスト駆動インフラ構築の知識を身に付けておくと、いろいろな場面で役に立つでしょう。

まとめ

今回も業界の動向と最新の技術をバランス良く読むことのできる一冊でした。

書評がとても遅くなってしまいましたが、まだ Amazon に在庫 がありますので、気になった方は是非ご覧になってください。

vol.77 も頂いているので、こちらはすぐに書評を書きます!