15 年勤めた SIer を辞めて外資系企業に転職した話
この記事は 退職者その2 Advent Calendar 2017 の二日目です。
おことわり
現職に就いて間もない試用期間中の身であるため、現職に関しては表面的な内容しか書けません。
そのため、「なぜ現職に就いたのか」というポジティブな側面よりも「なぜ前職を辞めたのか」というネガティブな側面を強く感じられる方がいらっしゃるかもしれませんが、いわゆる一身上の都合であり、前職や SIer というビジネスを否定するものではありません。
予めご了承ください。
前職について
大手と言って差し支えない規模の SIer に新卒として入社して 15 年と 1 ヶ月間、システムエンジニアとして勤めました。
Java 言語を使った Web アプリケショーン開発を多く担当し、直近の数年間は Hadoop, Azure, AWS なども経験できました。中国やタイへの出張、社内勉強会の開催など、システム開発以外にも多くの経験を積ませて頂きました。
大規模企業としての安定感は抜群で、業界平均以上の待遇に加えて技術職への理解と手当てもある良い企業でした。
お世話になった方々にこの場を借りて改めて御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
転職の動機
瑣末な理由も当然いくつかあったものの、次の二点が大きな理由でした。
- 家族が増えた
- 組織に広く貢献したくなった
それぞれ微妙に関連しますが、以下、個別に詳述します。
家族が増えた
今年で五歳になる娘が家族に加わってから、生活が一変しました。
個人という観点では見るもの聞くものすべてが新鮮で、目まぐるしくも充実した日々ですが、会社員という観点では単純に労働時間が減りました。
前職では準委任契約という形態でお客様先に常駐してお仕事させて頂く機会が多くありましたが、この契約は大雑把に言うと労働時間に対して対価を頂く内容であり、労働時間の減少は売上に影響します。
個人の事情を相互にフォローするのが組織ですし、お客様も含め現場の方々は理解を示してくださいましたが、ビジネスモデルとライフスタイルのミスマッチが根本的に解消されるわけではありませんでした。
組織に広く貢献したくなった
会社員として経験を積むにつれて、関心の対象が個人からチーム、組織へと移っていきました。
最初の五年間は個人として技術を身に付けることに夢中で、チームや組織のことは考えもしませんでした。
次の五年間はチームリーダーとして案件を成功させるために躍起になっていましたが、リーダー以前に個人としてあまりにも未熟で、メンバーに迷惑をかけてばかりでした。
そして、チームリーダーとして少しずつ上手く立ち回れるようになった最後の五年間は、自分が身に付けたことを他のチームや部署にも展開したい、自分の価値をスケールしたいと考えるようになりました。
そこで R&D 等を担当する部署への異動を希望しましたが、(ありがたいことに) 自分を必要としてくれる現場もあってなかなか認められず、仕方なく社内 SNS に技術情報を展開したり、社内勉強会を開催したりなど試みるものの、組織に広く貢献できているという実感を強く得ることはできませんでした。
転職の契機
今年の三月に念願が叶って R&D 等を担当する部署へ異動した数ヶ月後、現職よりスカウトのメールを頂きました。
登壇資料やブログを見てお声掛け頂いたとのことで、拙いながらも情報発信を続けていてよかったと思います。また LinkedIn もご覧になったとのことで、外資系企業らしいとも思いました。
当初は異動したばかりということもあり転職するつもりはありませんでしたが、他の企業がどのようにビジネスをしているのか、エンジニアがその中でどのように活躍しているのかなど、お話を聞きたいと思って面接を受けることにしました。
その面接で、現職には以下のような特徴があることを理解しました。
- エンジニアが能力を発揮して短時間で問題を解決することが組織への貢献となること
- 常に新しい技術を学び続けることが求められること
本質的ではありませんが、日常的に英語に触れる機会があることにも魅力を感じ、この企業で働きたいと思うようになりました。
転職した感想
前述の通り試用期間中であるため表面的ではありますが、実際に転職した感想を以下に列挙します。
エンジニアの質が高い
技術力が高いのはもちろんですが、強い言葉やネガティブな言葉を使うエンジニアがいません。みなさんコミュニケーション能力が高く、ポジティブで親切です。
企業文化がきちんと浸透していて、人間的にとても洗練されています。
オフィスが快適
広いデスクにラップトップとサブディスプレイを二枚貸与して頂いています。ラップトップは Win/Mac, JIS/US キーボードから選べて、自分は JIS キーボードの MacBook Pro を使っています。
服装規定は一切ありません。コーヒーなどの簡易な飲み物は無料です。人によって好みがあるかと思いますが、オフィスがとても静かなのも個人的には快適です。
なお、自宅で働いている人も多いです。
トレーニングが充実
入社してから一ヶ月経ちますが、ひたすらトレーニングしています。e ラーニングとエキスパートによるラボトレーニングの予定がびっしりで、トレーニングにここまでコストをかけてくれるのかと驚きました。
トレーニングした内容よりも更に深く知りたい場合は、社内 Wiki に大量の情報が蓄積されています。
英語が身近
会話は日本語ですが、上記トレーニング教材や Wiki はほとんど英語です。
今はまだ読むだけですが、トレーニングを終えて実務に移ると海外のエンジニアとメールでやり取りする機会もあるそうですし、エキスパートは海外出張の機会も多いようです。海外へ転籍していく方も多いです。
最後に
転職して本当によかったと思います。
単純に環境や待遇が改善されたこともありますが、仕事のこと、家族のこと、自分のことを改めて考え直して行動したこと、また実際にまったく違う世界を目の当たりにしたことで、視野が広がり、人間的に幅が出たように感じます。
今はまだ組織にぶら下がっているだけの新人ですが、一日でも早く成長して組織に貢献していきたいと思います。