おやすみプンプン
- 作者: 浅野いにお
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2009/06/30
- メディア: コミック
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ずっと気になっていたので一気に読みました。
話の内容やテーマ、温度感などはまったく知らず、プンプンの造形のみを前提知識として持ち合わせている状態で読み始めたところ、いい意味で裏切られました。
唐突に真っ黒な手が出てきたり、何の説明も無くベルトを外されたり。プンプンの姿かたちは、それをそのまま描いてしまうといよいよ救いが無くなってしまうがための防衛線のような気もしますし、それをそのまま描かないからこそ余計にドス黒いリアリティが浮き彫りになっているような気もします。
その他の世界観は良くも悪くもこれまでどおりで、サブカルに傾倒している人は神のように崇めるでしょうし、リアルをマッチョに生き抜ける人は吐き気を覚えるんじゃないでしょうか。
個人的には、作中に登場するゲームボーイのバカデカさや、新百合ヶ丘駅、町田駅と思われる風景がいちいち記憶とシンクロして、より作品に感情移入できますし、してしまいます。そういう意味で、浅野いにおさんの作品を特別に楽しめる一方、自由に楽しめない希少な世代なのかもしれません。
まあとりあえず小田急線沿いでぼんやりとしたベタつく毎日をただなんとなく生きてきたお前らは読め。