iPad
遅まきながら iPad について思うことなどをつらつらと。
まずは こちらの動画と写真 をどうぞ。同じ動画の日本語字幕付きを オフィシャル でも観られます。
未来はぼくらの手の中
アップルによる正式発表直後は賛否両論が吹き荒れていましたが、今このタイミングでじっくり考えてみると、やはり iPad は魅力的な製品に思えます。
使いたいときに「さっ」と手に取って「すっ」と起動して「ぱっ」と表示される端末。パソコンの父、アラン・ケイが夢見たビジョン が、いよいよぼくらの手の中にやってくるという印象です。
ごく最近のようでいて遥か昔のようでもある数年前、友人達と「いつか『むかしはコンピュータに周辺機器をひとつひとつケーブルで繋いでいたんだよ』なんて笑う日が来るんだろうね」などと談笑していたことを思い出します。
居住スペースの一角に鎮座ましますコンピュータ様の御前に着席し、OS の起動に三分、ブラウザの起動に一分等々、神事が如く定められた手順を厳粛に進めないとニュースひとつロクに読めないシステムなんて、どう考えても使いづらいです。用事が済んだらいきなり電源オフが当たり前です。OS の終了なんてユーザの知ったことではありません。
上記の動画で「あなたが製品に合わせるのではなく、製品があなたの一部になる」という言葉がありますが、iPad はそういう製品だと思います。
デカい iPhone または iPod touch
iPad に関する否定的な意見のひとつに「iPad など iPod touch がデカくなっただけ」というものがあります。
iPhone/iPod touch と iPad は機能面での差異があまり無いので、ある意味では的を得た意見なのですが、機能面で差異が無いから iPad はだめだ、と言うのは短絡的だと思います。
テレビのように、ただ大きいことに価値がある製品はいくらでも存在します。産経新聞の iPhone アプリ は iPad でその価値を最大限に発揮するでしょう。
iPad は大き過ぎて持ち運ぶ気にならない、と言う意見も同様です。大型液晶テレビについて「大き過ぎて持ち運ぶ気にならない」と言っても仕方ありません。個人的に iPad は自宅で使うものであり、GPS も 3G 通信も不要だと思っています。
Flash
iPod touch/iPhone/iPad は今後も Flash はサポートしません。
現在、Flash は世界中のサイトで使用されており、これをサポートしないことがどれだけユーザの利便性を下げるかについて、Apple は百も承知です。それでも一貫して Flash をサポートしていないのだから、今後もサポートしません。
Apple が Flash をサポートしない理由は
- 携帯端末の限られたリソースを大喰いする
- 不安定
- Flash 上で自由にゲームコンテンツ等を展開可能であり、AppStore の検閲的ビジネスモデルを破壊する
などですが、リソース使用率については時間と共にハードウェアが解決するので「今後も Flash をサポートしない」理由にはなりません。
次の Flash が不安定という点について、ジョブズ氏は「Adobe は怠慢だ」としており、Adobe が姿勢を改めさえすれば良さそうなものですが、Flash をサポートしないことによる利便性の低下は主にビデオコンテンツの閲覧に関するものであり、Apple はこれを代替する HTML5 を推進しているので、今後 Flash が安定したとしても Apple が Flash をサポートする理由にはなりません。
最後の Flash による AppStore のビジネスモデル破壊については、営利目的企業として当然の態度であり、この態度が簡単に変わることはないでしょう。
シングルタスク
iPod touch/iPhone/iPad が基本的にシングルタスクである点については、単純にハードウェアリソースと安定性、利便性のトレードオフの結果であり、時間と共にハードウェアが解決すると思います。
まとめ
- iPad はこれまでとこれからの境界に位置する製品
- iPad は自宅で使うもの
- iPod touch/iPhone/iPad は今後も Flash はサポートしない
- 徐々に HTML5 が普及しユーザはストレスから解放される
- iPod touch/iPhone/iPad はそのうちマルチタスクになる